こんにちは、イベント運営担当の阿久澤です。

DeNAでは、新たなコンテンツを創造できる若手ゲームプランナーの育成を目的に、『座・芸夢 若手ゲームプランナー育成塾 〜未来を担う人に伝えたいこと〜』というイベントを開催しています。

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6月で2周年をむかえ、第20回目の記念すべき講師は「ゲームの神様:遠藤雅伸さん」です。

ゲーム創世記に数々の名作を手がけ、その後もゲーム作家、ゲーム研究者として幅広く活躍されている遠藤さん。現在も多くの作品を手がけながら、東京工芸大学教授や、日本デジタルゲーム学会理事研究委員長、宮城大学客員教授などを務め、後進の育成にも積極的に取り組まれています。
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座・芸夢は今回で3回目のご登壇となります。

◆前回登壇の様子はこちらから

本日のテーマは「センス オブ ◯◯◯」。

「新しい概念をみなさんに教えたい。この概念は数年経てば、きっとゲーム業界で当たり前になってくる。だが、ゲームクリエイターですら、まだあまり気づいている人がいない。」

そんな言葉から始まった本日の講義。気になりますね…。

遠藤さんは、3つの「センス オブ ◯◯◯」をホワイトボードに書き込みました。
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Sence of Presence

Sence of Agency

Sence of Ownership

これらを、バーチャルリアリティの様々な事例から紹介をしていきます。

そもそもバーチャルリアリティとはなにか…。

よく聞くVRとは、正式には「加速度センサー付き両眼視差立体視HMD」。
「VRだからこその高い没入感!」などとよく言いますが、「没入感という表現は違う」と遠藤さん。

「脳が間違って、本当にそこにいると感じてしまうのがVRであるべき」

どういうことでしょう。動画を紹介しながら説明をしてくれました。

★Sence of Presenceの事例

VRを通して、かわいらしい女子高生が、現実にはありえない至近距離に近づきます。
体験した男性の感想は「息づかいが聞こえて、どきっとしました」。

でも、実は息づかいの音声を流したり、風を送ったりなどの仕掛けは一切ないのです。

至近距離の女子高性を視覚で捉えたことで、脳が補完し、ないはずの息づかいの存在を感じてしまうのです。これをクロスモーダル現象と言います。

ないはずのものを、存在(presence)すると思ってしまう。これが「Sence of Presence」です。

★Sence of Agencyの事例

本当は円柱形の壁を手でなぞって歩いているのに、VRでまっすぐな道を歩いている映像を見せ、さらにその際、映像上に実際の自分の手も再現します。

すると、本当にまっすぐに歩いていると感じてしまう。

この現象の肝は、「自分の手が見えている」こと。自分の手が見えているので、その手の感覚を信じる心理が働くのです。

このように、自分がやっている感(=行為主体感)が「Sence of Agency」です 。

★Sence of Ownershipの事例

画面に鏡のように映った自分の顔の、表情筋などを微妙に操作し、実際よりも笑顔であれば、その人はだんだん楽しい気持ちになってきます。

楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔でいるから楽しくなる、という順番も存在するのです。

鏡に映った自分の顔は、自分のものだという気持ちが強いために起きる錯覚です。これを、「Sence of Ownership」と呼びます。

ここまでが、講義編でした。では、いよいよ後半のワークです。
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ワークに入る前に、遠藤さんの導入です。

「ゲームをやるときに課題になるのが"Sense of Agency"です。最近のゲームでは難易度調整をAIがやるものがありますが、"このユーザーちょっと上手いな"と判定された時に、難易度を上げたりするんですね。」

「そのときに、ユーザーが気付いてしまうと、途端に"Sense of Agency"が失われます。」

「"誰かいじりやがったな"、"自分がゲームをやらされている"、そう感じることが、"Agencyが失われている状態"なんですね」

そこで、今日のお題です。

「Agencyがない、と思うゲームを探し、どうしたらAgencyを持たせられるか、解決策を考えろ」

チームごとに、議論が始まりました。
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盛り上がっています!

40分のワークのあと、各班1分で発表です。
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有名なゲームがどんどん例にでてきました

<<Agencyが失われている例>>
・強いモンスターがインフレ
・ストーリー上重要な話が知らないところで終わっている。
・ムービー中に操作を強要される
・自動スクロール

どうしたら面白さを失わずに、Agencyを加えられるか、ユニークなアイデアもたくさんでました。

「ゲームは自由な行為であることが大事。そこにフィードバックがあるから楽しいんですね。
自分がやったことに反応がある…「インタラクション」というのが、ゲームの本質です。
まさにそれが「Sence of Agency」。今後皆さんがゲームを作るときも、意識していただければと思います。」

遠藤さんのまとめで、本日の座・芸夢は幕を閉じました。
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次回の座・芸夢は、秋頃を予定しています。次回もお楽しみに!

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