こんにちは、イベント運営担当の藤村です。

DeNAでは、若手ゲームプランナーの育成を目的に、『座・芸夢 若手ゲームプランナー育成塾 ~未来を担う人に伝えたいこと~』というイベントを運営しています。

thegame12
業界内の著名な方々を講師に迎え、実践的な講演・演習を行う本イベントも12回目を迎えました。今回も、多くの参加者にお集まりいただき、誠にありがとうございました。


ここからは、本イベントの概要をレポートしていきます。

今回参加できなかった方も、こちらのレポートで会場の雰囲気を感じていただければ幸いです。


今回講師に迎えたのは、携帯電話の開発から業務用ゲームのプログラム、さらにはディレクター、プロデューサーとして「もじぴったん」シリーズ等にも携わった、多彩な経歴をお持ちの中村隆之さん。

ツーショット

中村さんは現在、神奈川工科大学情報メディア学科の特任准教授を務めるなど、さまざまな場で「ゲームデザイン教育研究者」としてもご活躍なさっています。
 

座・芸夢には、第3回目、第8回目に続き3度目のご登壇となりました。

 

◆前回の様子はこちらから

http://creator.dena.jp/archives/46671679.html

 

今回、中村さんが掲げたテーマは、「ゲームプロデュース入門/コンセプトを伝える方法」でした。


過去2回のご登壇では「EMSフレームワーク」や「ゲームデザインの分析」について講演いただきましたが、また違った視点での講演をしていただきました。

 

それでは今回、中村さんが教える「ゲームプロデュース入門/コンセプトを伝える方法」とはどんなものなのか? さっそく紹介していきましょう。


■「コンセプト」って何だろう?「プロデュース」って何だろう?

要点

本日の要点は3つ!

・プロデューサーの役割についての理解

・消費者は「買う前」と「買った後」に評価している

・買う前に感じる商品の魅力(C)を高めるにはどうしたらよいのか

 

プロデューサーの役割についての理解

ゲームデザイナーはわかりやすい。ゲームを作る人、ゲームをデザイン、設計する人ですが、プロデュースって何だろう?伝わりにくいですよね。ここを理解しましょう。

 

消費者は「買う前」と「買った後」に評価している

お客様は、「買う前」と「買った後」に2回評価しているということ、分かると当たり前なのですが、言われないとわからないですよね。ゲームを作っていると、買う前のことを忘れてしまうことがあります。

 

買う前に感じる商品の魅力(C)を高めるにはどうしたらよいのか

こちらはワークショップのセッションとなります。


■「プロデューサー」の役割

まずは、中村さんより「レストラン」に例えて説明がされました。

 

「ゲームデザイナー」=「シェフ・料理人」

→レストランに入ってきた人に料理を作り、美味しいと思わせることが仕事

 

「プロデューサー」=「経営者」

→レストランを繁盛させることが仕事

 

プロデューサーが考えないといけない範囲は凄く広い。

立地、メニュー、雰囲気、SNSへ登録するカテゴリー種類などなど・・・。

料理に辿り着くまでに、美味しいと思ってもらう段階がいくつもある。

 

プロデューサーというのは、レストランの経営者と同じ役割です。

 

アプリでいうと、

「立地」=どこに広告を配置するとか、どうアプリのダウンロードページにランキングさせるのかとか、

「ここのお店に入ってみたい」=ダウンロードしたいと思わせるためにはどうしたらいいのか?など、

こういうことを考えるのがプロデューサーの仕事です。と説明がされました。

プロデューサー

■プロデューサーの役割の範囲は?

プロデューサーの役割範囲はプロジェクト全般に及び、考えることが沢山ある。

なかでも難しいのは、「短く効果的に」本当に来て欲しいお客様に、自分のお店に入ってきて欲しい。ここが頭を捻るところです。


ここで参考となる書籍の紹介がありました。

中村さんはナムコ時代からこの梅澤理論に影響を受けて仕事をしてきたそうです。 

ヒット商品開発 -MIPパワーの秘密-

著者:梅澤 伸嘉  


著者はカビキラー、スキンガード等ロングセラー商品の開発に携わり、ロングセラー商品開発の手法を開発したり、研修で指導もされているそうです。
消費者

■消費者心理と行動の関係を知る

消費行動がどうゆうものなのか理解する必要があると続けます。
 

・通勤途中

・自販機でドリンクを買う

・少し急いでいる。

・日差しが強く暑い日

 

このような背景があり、「喉が渇いた」、「飲みたい」という心理があり、自販機で買おう!と行動になります。

 

買った商品が新製品などであれば、「美味しかった」「美味しくなかった」など心理があり、

再購入または購入しないという行動になる。

 

「心理」→「行動」→「心理」→「行動」

が繰り返される。


何かものを買う時には、買う前に「心理」が発生している。

その行動をとるための心理が発生していることを理解するのが重要と中村先生は続けます。

コンセプト

                                   出典:ヒット商品開発 第2版
■コンセプト(C)とパフォーマンス
(P)

 

「コンセプト」=商品を買う前に欲しいと思わせる力

→期待という心理を持たせることができる。

 

「パフォーマンス」=商品を買った後に買って良かったと思わせる力

→買った後、満足という心理を持たせることができる。

 

企画職の方が一番気にしないといけないのが、ゲームをつくっている最中にコンセプトを忘れる。頭からどうしても外れてしまうことがある。面白いゲームを作ろうと思い、仕様を詰め込んでいくと、最後の売るタイミングで、いったいどうやって、この沢山詰め込んだ魅力を伝えればいいのか?ということになってしまう。

 

商品開発において、「コンセプト」買う前の期待をどう設計するかが、軽視されがちであると中村先生が注意を促します。

 

一般商品だけでなく、ゲームも商品と考えれば同じ、無料のダウンロードコンテンツであっても考え方は同じ。


ここで1つのコンテンツの事例が紹介されます。
 

コンテンツの詳細は省かせていただきますが、

その商品のパッケージを見て、

・面白そう?

・自分向け?

と中村先生が問いかけます。
 

参加者は誰も、どちらとも思わない・・・。

 

次に中村先生から、その商品のPVが紹介されました。

PVを見てからの印象を聞くと、「面白そう」という印象の方が増えました。

 

このコンテンツは、実は隠れた名作で、実際にはお金も掛かっているし、遊ぶともの凄く面白い。

 

以前、同僚にパッケージを見せて、「面白そうと思う?」と聞くと誰も面白そうと思わない

そこで実際に遊んでもらうと、休憩時間が終わっても遊び続けていたそうです。

 

これは、実際は凄く面白いのに、パッケージや広告宣伝でうまくいかなかった事例です。

プロデュースとしては少し問題があったのかなとも思う。と中村先生は解説します。


■買う前に伝えるべき事

・何である(何ゲー)

・どうよいか

(誰向けか)

 

買う前に伝えることとして、何である(何ゲー)か、その商品はどんなよさがあるのか、どんなきもちよさがあるか、どんな面白さを提供してくれるのか。皆さんは事例のパッケージを見て、伝わる雰囲気や情報からぱっと見ただけで誰むけか?判断したわけです。
 

この情報を「どこで、誰に、どのように伝えるのか?」が重要です。

 

中村さん自身はパッケージにこだわりがあって、「もじぴったんDS」は3年~4年売れ続けロングセラーになったタイトルです。

 

もじぴったんDSは、ロングセラーにするべきタイトルだったので、TVCMなども大事ですが「パッケージだ!」という結論に達したそうです。


パッケージに関しては非常に作り込みをしています。

と中村先生は続けます。

 

何故か?

パッケージというのは、店頭からポスターなど撤去されて、TVCMが終わった後も、パッケージだけは残る。面白さ、楽しさを伝える方法としてはパッケージは非常に重要でした。

 

大事なことはパッケージは狭く伝えられる情報量も少ない。スマフォアプリも同じで、小さいバナーなど、狭い場所で魅力を伝えないといけない。

 

「情報を凝縮する必要がある。」

 

と説明を行い第一部は終了となりました。


■第二部:ワークショップ

中村先生から課題と進め方が説明されます。

 

研修用コンセプト「猫ドリフト観戦ゲーム」

素早いアクション等必要なく遊べ、どこでも空いた時間に猫が走り回る可愛い動き

に癒やされる

 

中村先生が用意した、この研修用のコンセプトを使いワークショップを進めていきます。
 

■ワークショップの目的

・コンセプトを短く(端的に)魅力的にする事の重要性に気づく事を実践を通じて学びます。

・最終的に時間内に「キャッチコピー」「カテゴリー」「タイトル」を決定する事がゴールになります。

 

■手順

1. コンセプトシートの共有

2. 商品の魅力を伝える俳句作り

3. 投票 (各人 2票ずつ )

4. 投票理由の共有

5. キャッチコピー/カテゴリー/タイトル作成・決定


今回のワークショップの特徴の1つが、「商品の魅力を伝える俳句作り」です。俳句は最終形に至るまでのあくまでヒントですが、これが特徴でもあり学びになりました。

 

575 (季語なし、字余りOK) で商品の魅力を伝える俳句作り

俳句作り=短く、ゴロよく商品の魅力を伝えられる

俳句は最終形に至るまでのあくまでヒント

1ポストイットに1俳句を書く

 

中村先生から説明の後、ワークショップが開始となりました。

グループワーク2

GW2

全てのチームではありませんが、時間内に「キャッチコピー/カテゴリー/タイトル作成・決定」まで完成したチームが発表を行い、最後に中村先生から以下の言葉で講演は締めくくられました。

 

短くなったが、魅力的に伝わる感じは分かりますかね?凝縮していく感じがすごく重要で、言葉遊びなんですけれども、その中からどう短く伝えていくか?575で考えることや、投票して理由を共有する方法とかは使えると思いますので、是非、他の手法と組み合わせて明日から活用してください。

(中村)


いつものレポートでは、これで終わりなのですが、今回はもう1つご紹介したい内容があります。

 

座・芸夢の開催も今回で12回目となり、ついに中級から上級への進級試験が行われました。
(不合格の場合は、中級スタンプ3個の状態からやりなおし・・・。)という遊びの要素もあり。
試験

回、進級試験の対象となった2名は、初めての試験ということで、少し緊張しながらも、集中して臨みました。


さて結果は・・・。


押印

みごと合格です!!!2名とも進級となりました。おめでとうございます。

 

中村先生から塾生証の上級カード(ブラックカード)に押印していただきました。

 

こちらが進級の特典です。

特典
 過去の講演を編集してDVDに講演集としてまとめました。

座・芸夢は毎回全員が参加できるわけでもないですし、過去のものを見て学ぶことも大事なので、このような特典を用意しました。

 

今後は、進級試験の対象者も増えてくると思いますので、合格できるよう頑張ってください。

集合写真
次回、第13回の座・芸夢のエントリーも開始しています。

みなさんのエントリーをお待ちしております。

◆開催概要はこちら http://creator.dena.jp/archives/47611247.html

次回の座・芸夢もおたのしみに!