こんにちは、イベント運営担当の藤村です。

DeNAでは、若手ゲームプランナーの育成を目的に、『座・芸夢 若手ゲームプランナー育成塾 ~未来を担う人に伝えたいこと~』というイベントを運営しています。

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業界内の著名な方々を講師に迎え、実践的な講演・演習を行う本イベントも、今回でついに10回目を迎えました。節目となる今回も、多くの参加者にお集まりいただき、誠にありがとうございました。


ここからは、本イベントの概要をレポートしていきます。

今回参加できなかった方も、こちらのレポートで会場の雰囲気を感じていただければ幸いです。

■“長く”活躍するために

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今回ご登壇いただいたのは、スクウェア・エニックスで『KINGDOM HEARTS』や『DISSIDIA FINAL FANTASY』などに携わったのち、Tokyo RPG Factoryで『いけにえと雪のセツナ』を手がけた塩川洋介さん。また、その経歴を活かし、ゲームデザイナー向けの本の監訳や、さまざまな場所での講義、講演も行われています。


座・芸夢には、第6回目に続き2度目のご登壇となりました。

前回、塩川さんが掲げたテーマは、

「ゲームプランナーとして“長く”活躍するために知っておくべき、たった1つのこと」

でした。

 

◆前回登壇の様子はこちらから

http://creator.dena.jp/archives/46136594.html


そして、今回掲げたのは、

「ゲームプランナーとして“長く”活躍するために知っておくべき、アイデアの考え方」。

 

どちらも共通して、「“長く”活躍する」という言葉が挙げられています。

これは、「プロとして現場に身を置くには何が大切か」、ということを、塩川さんが強く意識しているということでもあります。


それでは今回、塩川さんが教える「アイデアの考え方」とはどんなものなのか? さっそく紹介していきましょう。


■“発想力”に頼らないやり方を身につけよう

「まず最初に、とくに学生さんに言っておきたいのは、プランナーになるのがゴールではなく、その先に、長く活躍することこそがゴールだということです。そのために必要な“アイデアの考え方”のひとつを、今回は教えたいと思います」(塩川)

 

塩川さんはそう言うと、ひとつの言葉を挙げます。

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“脱・発想力”と何か?

いわゆる“アイデア出し”の場では、思いつきを言う、ブレストを重ねる、アイデアを組み合わせる、ひたすら数を出す、といった手法が使われます。

もちろん、そういった手法でいいアイデアが出ることはありますが、これらの手法は個人の“発想力”に依存するものなので、長期的には非効率な面があると塩川さんは言います。

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そこで、方程式のような“アイデアの考え方”を身につけ、個人の発想力に頼らず、出せるようにしようというのが、今回の講義のテーマとなります。

 

では、なぜゲームプランナーとして“長く”活躍するうえで、“脱・発想力”が重要なのでしょうか?

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“発想力”にはムラがあり、コンスタントに出し続けられるものではありません。

ですが、ゲームプランナーは、常にアイデア出しが求められます。

そのためにも、アイデアを出す方程式を身につけることが大切で、方程式は、種類を覚えるほどにアイデア出しの幅が広がり、自信にもつながると、塩川さんは強調します。

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ここで講義はひと区切りし、「基礎編」としてある課題が参加者に出されました。

方程式を教えるまえに、一旦、素の状態で「アイデア出し」をしてみようというものです。

こちらの内容に関しては前回の演習同様、ある“仕掛け”があり、そのため詳しい紹介は控えさせていただきます。

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20分の演習後には、数チームの発表と、軽い講評が行われました。

この演習に関しては、まずは何も知らない状態で「アイデア出し」をしてみよう、という目的のものだったので、内容そのものに関しては詳しい評価はされませんでした。

 

ただ、発表されたものはそつなくまとまっている反面、会場が沸くほどのものはなかったのではないかと、塩川さんは言います。

 

「つまり“いけてる”アイデアはありませんでした。プランナーのゴールは、つねに“いけてる”アイデアを出すことです。では、なぜ“いけてない”のでしょう」(塩川)

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講義は、いよいよここからが本番です。


まず、なにが“いけてる”アイデアかを知るまえに、なぜそのアイデアが“いけてない”かを考えてみようと、上の質問が提示されました。

続けて塩川さんは“いけてない”アイデアの理由を、3つ紹介します。

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逆説的に、“いけてない”理由を回避すれば、“いけてる”アイデアになる可能性は高まるのではないかと、塩川さんは提案します。

そして、“いけてない”を回避する、3つの方程式が紹介されます。

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ここからは、それぞれの方程式を軽く紹介していきます。

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「ヒトコトスキル」

これは「ヒトコト」でそのアイデアの“意義”と“説得力”を伝えようというものです。

一種のキャッチコピーで、一言で伝わらないようなものは、どうやっても“いけてない”です。

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「一石三鳥以上システム」

これはひとつのアイデアが、複数の意味や効果を兼ね備えるよう意識する、というものです。

要素を無闇に足していっても“いけている”ものにはなりません。

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「既視感レベルデザイン」

まず、どこかで見たことがあるもの、まったくピンとこないものを両端にした「既視感レベル」というものを想定します。

それぞれのレベルには、アイデアとしてのデメリットもありますが、その反面、「見慣れている共感しやすさ」、「見慣れていない目新しさ」という意義も併せ持っています。

これを覚えておけば、説得力の強化や、意義を伝える役に立ちます。


■“方程式”を使って考えてみよう


これらの3つの方程式が紹介されたのち、「応用編」として、あるお題に沿った企画の作成が、課題として出されました。

今度は方程式を使って、「アイデア出し」をしてみようというものです。

こちらの内容も、詳しい紹介は控えさせていただきますが、シンプルながらも、それこそプロでも頭を悩ますようなお題でした。

 

20分の演習後、再び数チームの発表と、軽い講評が行われました。

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ここでの目的も、いかに方程式に沿って“いけてる”アイデアを出すかというものだったので、内容そのものに関しては詳しい評価はされず、いかに方程式に沿って出されているかが重視されました。

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公表後は、今回のまとめが紹介され、塩川さんの言葉で締めくくられました。


方程式というのは、覚えれば誰でも使えますし、全体の共通言語になります。たとえば、「既視感レベルを少し上げて、もう少し目新しさを出そう」とか、「それってヒトコトになってないのでは?」といったようにです。方程式を覚えれば、発想力に頼ることなくアイデアを出せるようになりますが、使っていかなければ身につかず、何の役にも立ちません。どんどん使って、自分のものにしてください。


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次回、第11回の座・芸夢のエントリーも開始しています。

みなさんのエントリーをお待ちしております。

◆開催概要はこちら http://creator.dena.jp/archives/47172084.html

 

次回の座・芸夢もおたのしみに!