こんにちは、イベント運営担当の藤村です。

DeNAでは、若手ゲームプランナーの育成を目的に、『座・芸夢 若手ゲームプランナー育成塾 ~未来を担う人に伝えたいこと~』というイベントを運営しています。

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業界内の著名な方々を講師に迎え、実践的な講演・演習を行う本イベント。
8回目を迎えた今回も、多くの参加者にお集まりいただきました。

ここからは、本イベントの概要をレポートしていきます。
今回参加できなかった方も、こちらのレポートで会場の雰囲気を感じていただければ幸いです。

今回講師に迎えたのは、携帯電話の開発から業務用ゲームのプログラム、さらにはディレクター、プロデューサーとして「もじぴったん」シリーズ等にも携わった、多彩な経歴をお持ちの中村隆之さん。

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中村さんは現在、神奈川工科大学情報メディア学科の特任准教授を務めるなど、さまざまな場で「ゲームデザイン教育研究者」としてもご活躍なさっています。

座・芸夢には、第3回目に続き2度目のご登壇となりました。

◆前回の様子はこちらから

http://creator.dena.jp/archives/45202588.html

 

前回中村さんは、「EMSフレームワーク」によるゲームアイディアの発想法を講演されました。

今回は、そんな「アイディアの発想」とも密に関係する、「ゲームデザインの分析」を講演のテーマに掲げられました。
 

ゲームデザイン分析の重要性とは

まず、なぜ「ゲームデザインの分析」が必要なのでしょうか?

ゲームデザインを学ぶ手段として、中村さんは「教えてもらう」、「実際に作って体験から学ぶ」、「すでに完成されたゲームを分析して学ぶ」の3つを挙げます。


この内、「教えてもらう」はゲームデザインという分野自体が体系化されていないため、難しいのが現状です。「体験から学ぶ」は時間がかかり、教育という側面からは効率がよくありません。その点「すでにあるゲームの分析」はすぐにでき、短時間で繰り返しできるという意味でも、ゲームデザインの学習の糸口として、もっとも適していると考えます。(中村)

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とくに若い方は、珠玉さまざまなゲームを遊んできたベテランのゲームデザイナーと異なり、一定水準以上のゲームだけを遊んできている傾向にあります。ゲームデザインをする立場からは、この経験の差は非常に大きく、その差を埋めるためにも、ゲームデザインの分析は役立つのではないでしょうか。(中村)

「ゲームデザインの分析」をする際は、フレームワーク(枠組み/基準)を作ることが重要だと中村さんは言います。
同じ基準/視点を作ることで、問題点を客観視することができ、似たようなゲームの比較や、チーム内等での議論もしやすくなるからです。

ここで中村さんは、ご自身が作成した「ゲームデザインの手段目的/快感ストレス分析シート」を紹介しました。
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この分析方法の特徴は以下になります。

・ゲーム内の「アクション(行動)間の手段・目的構造」と、それぞれの「アクションに伴う快感」の関係に着目

・ゲームの構造とプレイヤーの心理(主観)を分けて考える

・短時間(3分程度)のプレイでの評価

 

簡単に内容を説明すると、ゲームの構造を「最終目標」、「中目標」、「失敗」、「継続目的」、「小目的」、「手段」、「物理的操作」といった項目に分解し、それぞれの項目に対して、どのような障害/ストレス要素があり、どのような快感が伴うかを記入するものになっています。

 

このようにフレームワーク化することで、ゲームの全体構造が明確になり、また、プレイヤーはどういったタイミングで「楽しい(=快感)」と感じるかを、分析しやすくなるのです。

 

また、短時間のプレイを前提にしているのも、この分析方法の特徴で、これはとくに昨今のスマートフォン向けのゲームの分析には適しているものだと言えます。


ゲームデザイン分析の重要性、そして実際のフレームワーク化の方法に関しては講義のほか、別途テキストが用意され、参加者はより深く理論と手順を学ぶことができました。

 

こうしてゲームデザイン分析の重要性と、フレームワーク化の概要が紹介されたところで、ワークショップが開始されました。
 

ゲームを分析してみよう

ここからは実際にゲームを遊んでみて、先ほどの「ゲームデザインの手段目的/快感ストレス分析シート」に記入する形で分析が始まりました。


今回分析対象となったのは、おもに北米で展開されている以下のふたつのタイトルです。

・Vector for iPhone

・Canabalt

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チームごとに決められている、どちらかのゲームを分析することになります。
制限時間は約1時間。時間進行のおおよその目安は、以下のようになっていました。

・自己紹介/リーダー決め(5分)
・初期プレイ(5分)
・個人で分析シートを書く(20分)(プレイしながら)
・チームで分析シートまとめ(15分)(話し合いながら))
・分析したのと違う方のゲームプレイ(5分)
・チームでふたつのゲームを比較して違いをディスカッション(残り時間)

ここでやはり目に入るのは、初期プレイ時間の短さです。
これは、プレイ開始からすぐに得られるゲーム体験を重視した、この分析方法ならではの特徴と言えます。

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また、それぞれがどこを面白いと思ったのか、どこをストレスに感じたのかがシート内に記載されているので、チーム内での話し合いが短時間でもスムーズに進行している印象でした。

これこそまさに、フレームワーク化の利点のひとつでしょう。

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分析対象となったふたつのタイトルは、どちらもいわゆるラン&ジャンプ系のゲームのもので、一見したところ似た印象のゲームなのが、今回の分析のポイントです。
触ってみると分かると思いますが、それぞれ目標設定や、快感を感じる部分も異なっており、分析シートの内容はまったく違うものになります。
興味が出た方は、実際に触ってみて、ぜひ分析してみてください。

ワークショップ終了後は、分析結果の共有とともに、まとめのセッションが行われました。
その中で中村さんが挙げられた、ゲームデザイン分析を行う際のポイントを、講演のまとめとしていくつか紹介したいと思います。
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今日は机の上でプレイしましたが、例えば電車の中でプレイするならばどちらの方がいいか、また、なぜそう思ったかを考えてみてください。そのように見方を変えるのも、ゲーム分析には重要です。(中村)


分析対象とするゲームは、日本以外のランキング上位のものから選ぶのがお勧めです。新しい発見も得られやすいですし、実務的にもきっと役に立つと思います。(中村)


今回はベースとなるシートを配りましたが、将来的にはぜひ自分なりのフレームワークを作ってみてください。最初から完璧な物を作ろうとするのではなく、間違っていたらどんどん修正していけばいいんです。そうして積み重ねた自分なりの分析は、ゲームデザイナーを目指す人には必ず有用になるはずです。(中村)


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次回、第9回の座・芸夢のエントリーも開始しています。

みなさんのエントリーをお待ちしております。

◆開催概要はこちら http://creator.dena.jp/archives/46625251.html

 

次回の座・芸夢もおたのしみに!