こんにちは、デザイン部の天野です
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9月25日、国立新美術館で第2回GameCreativeExchange(以下GCE)が開催されました。
「世界で活躍できる次世代の育成の場を創出すること」を目的としたイベントです。

アートディレクターやイラストレーターによるノウハウ話や最新情報、人気ゲームのアーティストやプロデューサーなど、他にもさまざまな技術を持った方々が集まります。
今回はこの第1部の公演のレポートを書いて行こうと思います!
上記リンク先のGCEのサイトでは後日、当日の詳しい動画がアップされる予定です。
当日ご来場いただけなかった方はぜひご覧くださいませ!

第1部の登壇者に、DeNAのアートディレクター【高木正文さん】インタビュー
それからグリー株式会社様より、リードアーティスト【後藤仁さん】

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ここではPalmieの【伊藤貴広さん】の進行のもと、
アートディレクターの方やイラストレーターの方向けの育成講座が行われました。

最初は高木さんで、テーマは
【アートディレクターの仕事の話、座組で良くなるイラスト制作】です。

アートディレクター(以下AD)は、世界観を考えてそれを作ってもらい、
見た目をよくするお仕事です。
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この『作ってもらう』というのが座組みです。
今日はこの『作ってもらう』ということに重点的にお話しさせていただきます。

では、どれくらい作るのか?その数はとてつもなく多いです。
それでいてスケジュールが短かったり、人手が足りなかったり。

とある月の物量を出してみたところ
指示書・・・22点
チェック回数・・・97回

こんな数にのぼりました。しかも毎月毎月続くんですよね。
それでもなんとか作りきっていきます。

どんなに面白い企画でも、素材がないとゲームは作れません。
なので作りきることは大事ですが、

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見た目をよくする
これ、出来てますか?
ADは見た目を作ってく仕事なんです。
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たとえばこの作品も、右の様により良くしなくてはいけませんよね。
ADは作品をより良くする時間を、どれだけとれるのか
という能力が必要になってきます。
その為には、効率の良くなる座組みが必要です。

【描き手の種類とメリットデメリット】

■社内スタッフ
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メリット:コミュニケーションが取れる
デメリット:教育コストがかかる場合も

口頭でのやり取りが出来るので、コミュニケーションロスが少ないです。
また、仕様が変わった時などお願い事も説明がしやすいです。

そのかわり、案件にマッチしていない人や
新人さんをアサインした場合に、教育コストがかかってしまう事があります。

メリットを活かす為にも
情報共有をマメにする!というのがポイントです。


■フリーのイラストレーター(個人の方)
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最強の絵のプロです。
メリット:高いクオリティ
デメリット:絵柄あわせが難しい

最強の絵のプロなので、クオリティが担保されます。
アーティスト性も上げる事ができ、案件とマッチしていれば
プロジェクトのクオリティがグンと上がります。

その反面、絵柄あわせが必要なプロジェクトでは
アーティスト性を活かすのが難しい場合が出てきます。

また、個人の方なので
体調不良などが納期にダイレクトに影響してしまいます。
バッファを多めに取るのがポイントです。


■イラスト製作会社
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メリット:数や内容など相談できる
デメリット:クリエイターと直接やり取りできない

「ひと月に100点」をお願いした事があるくらい、
いろんな相談に乗ってもらえます。

そして素晴らしいのが窓口の集約です。
先ほどの案件を個人の方にお願いすると、
やり取りする人数(窓口)が十数人とかになってしまい大変ですが
イラスト製作会社のADがそれを行なってくれるので
非常に楽になります。

ただ、製作しているクリエイターは
イラスト製作会社の財産なので、
直接のコミュニケーションがとれません。
先方のADさんにお任せする事になるので
あいまいな表現をせず、ルールをきちんと作る事でミスを防ぎましょう。


■自分
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メリット:企画が固まってなくても描ける
デメリット:段々数がこなせなくなる・・・!

指示書がない状態で人にお願いすることは難しいですが、
企画が立ち上がったばかりの頃は
決まってないことが多く、指示書を作れません。
そんな時、自分であれば指示が必要ないので、すぐに製作に入ることができます。
早い段階で見た目の方向性が決めることができるので
結果的に、イラストをお願いする時間を沢山用意する事ができます。

発注が始まると、AD仕事が入ってくるので
段々かける枚数が減ってしまい、
絵描きの主戦力として数えておくと痛い目を見てしまうので注意しましょう。

企画の初期と終わり際辺りが
描く時間を作りやすい時期なのでオススメです。

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種類とメリットデメリットでした。
それぞれのメリットを生かして、効率を上げて作品作りを行ってください。

最後に、どんな座組みでも使える
オススメポイント3つです。

1・窓口は少なく
窓口が多ければ多いほど、いろんな人にメールを送ったり指示書を送ったりして大変です。
窓口は少ない方が断然有利です。
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2・デザインは、社内が強い
イラストを描くとき、デザインは相当大変なお仕事です。色々考えを積み重ねていく過程で、
その積み重ねていたものを一回崩したりしなければならない時があります。
この時、コミュニケーションがよくとれる社内の方が有利です。

3・最低、ツーマンセル(二人一組)
AD一人だけでプロジェクトを回してしまうと
倒れてしまった時などに、大幅に遅延してしまいます。
必ずもう一人は社内スタッフをアサインしましょう。

まとめ
まとめ
ADがより良いイラストを作る為には
効率よく作れる座組み

ルール作りが大事
というお話でした。
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続いて、グリー株式会社様より後藤仁さん。
テーマは【アートディレクションの具体的な技、心がけるポイント】です。

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先ほど高木さんが俯瞰して見られていた「自分」というところを掘り下げます。
実例みたいなものを、皆さんの参考になればいいなと思い
お話しさせていただきます。
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ADというのは自分が考えているところでいうと、

・完成像を想像できる、
・想像した絵を具現化できる、
・具現化の方法を、共有できる、
・そして、俯瞰して見られる。

■連鎖型志向
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ゲーム・特にソーシャルゲームは、
一回目にして全てを出し尽くしてしまうと
全然続かなくなってしまいます。

始めの段階で「引き」を作り、
ゲームが進んでいっても、きちんと話をおもしろくする
という思考で考えていきます。

ベースの統一は、先ほど高木さんが仰っていたように始めのルール作りが肝心です。
そのルールをレギュレーションと言います。
私が作ったものですと、こんな感じの物があります。
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こうした図解を多く使うことによって、
「あまり資料を読み込まない方でも伝わりやすく」と言う事を心がけています。


■レイヤー構成のレギュレーション
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テイストを統一するという所で考える場合、
・キャラクターは同系色ごとに分ける
・細かくなりすぎないように整理する
・複数人で分業するときはレイヤーの名前をちゃんとつける


あとはアートディレクションしていく上で、
最初のレギュレーションを考えていくときにこうなったら困る、
と言うのを洗い出していきます。

作っていただいた絵が・・・
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・顔がどこにあるのかわからない
・翼はかっこいいのに顔が小さい
「この辺が変だな、気になるな」と言う事を洗い出していきます。

レギュレーションというのは、
予測できない部分が気になってきたり、途中で新しい要素が加わってきたり、
最初にガッチリ決めたつもりでも、更新していかないといけないものです。
その辺というのは柔軟に更新していく必要があります。

早い段階であればあるほど、傷は浅くて済みます。
すぐに変えなければならない時があるとしたらすぐに変えます。
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失敗を積み重ねて精度を上げていくというのも、できる時とできない時があります。
失敗というのも、できればしたくないものです。
その場合はどうしたらいいか。
先輩の失敗談を聞いたり、他のチームの話を聞きに行ったり、
大きな会社であればこの辺の事は聞けると思います。
失敗談を聞くのは、すごくためになります。
その辺を乗り越えていく形で、ゲームと言うのは盛り上がっていくのかなと思います。

この後も第2部と第3部で色々なアーティストやプロデューサーの
お話をお伺いすることができました。
この日の来場者はゲーム会社など業界の方以外にも、学生らしき方の姿も見受けられました。
このイベントは無料で、こうして業界のお話を聞くことができる貴重なイベントです。
ブログをご覧いただいている皆様も、ぜひ次回のイベントに参加してみてください!

では、また次回のブログをお楽しみに!