こんにちは、イベント運営担当の藤村です。

DeNAでは、若手ゲームプランナーの育成を目的に『座・芸夢 若手ゲームプランナー育成塾 ~未来を担う人に伝えたいこと~』というイベントを運営しています。

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業界の第一線で活躍する講師から直接話が聞け、指導を受けられる貴重な機会ということもあり、毎回多数のエントリーをいただいている本イベント
 
第3回を迎えた今回も多くの参加者にお集まりいただき、誠にありがとうございました。

ここからは、盛況のうちに幕を閉じた本イベントの概要をレポートしていきます。残念ながら今回参加できなかった方も、こちらのレポートで会場の雰囲気を感じていただければ幸いです。

■EMSフレームワークを使ったゲームアイデア発想法

今回講師に迎えたのは、携帯電話の開発から業務用ゲームのプログラム、さらにはディレクター、プロデューサーとして「もじぴったん」シリーズ等にも携わったという、多彩な経歴をお持ちの中村隆之さん。
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中村さんは現在、神奈川工科大学情報メディア学科の特任准教授と、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科附属メディアデザイン研究所 リサーチャーを務めています。自己紹介の言葉をお借りすると、日本でおそらく唯一という「ゲームデザイン教育の研究者」です。

今回、中村さんが紹介されたのは、ゲームデザインのフレームワーク「EMSフレームワーク」
EMSとは「Ends and Mean Structure(手段目的構造)」の略で、ゲームの構造をシンプルに文章化し、アイデアを出すための「枠組み」の発想法です

イベント前半では、EMSフレームワークの概要を学び、実際にアイデアを出していきました。

まずEMSフレームワークの基本形は、以下のようなものになります。
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・○○を××して(手段)、□□を△△する(目的)のゲーム

ゲームは基本的に、アクションによる手段目的構造になっているので、既存のゲーム、とくに一人でプレイするタイプのゲームは、この形でほぼ言い表すことができます。つまり、このフレームワークに当てはめさえすれば、「ゲームのアイデアになる」ということです。

EMSフレームワークはシンプルなので、誰にでも覚えられ、すぐに使えるというメリットがあります。例えばゲームデザインを知らない人でも、構造さえ覚えればアイデア出しの場に参加できるわけです。これは、大量にゲーム初期のコンセプト案を出したいときなどに、とても有効です。

もちろん実際には、アイディアを出したあとには、それを絞り込むという、より難しい工程があるわけですが、今回の講演ではまず、「アイディアを出すのは難しくない」ということを体験してもらうことが、大きな目的となっていました。

実践あるのみということで、ここからさっそくワークショップが開始されます。
参加者を数名ごとのチームに分け、5分間でできるだけアイデアを出し合ってもらいました。
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短時間ということもあり、最初は焦っている様子も見られましたが、最終的には各チームから、多くの数のアイデアが提出されました。枠組みが設定することで、形にしやすいというEMSフレームワークの効果が、さっそく出たようです。

その後、各チームのアイデアを発表し、中村さんが講評します。
中にはかなり奇抜なアイデアもあり、笑いが起きる場面もありました。
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■EMSフレームワークを使った分析法

講演の後半は、EMSフレームワークを使った分析法が紹介されました。

ゲームデザインを学ぶには、 
・誰かに教えてもらい学ぶ
・実際に作って体験から学ぶ
などの方法が考えられますが、上記は教科書となる書籍がまだ少ない、体験には時間がかかるなど、難しい面があります。

そこで3つめの方法として、
・既存のゲームを分析して学ぶ
が挙げられます。

分析には比較するための「道具や手法」が必要ですが、そのの「道具や手法」にEMSフレームワークを使おうというものです。これは、ゲームの手段目的構造を分析することで、そのゲームの魅力を明確にする作業でもあります。

簡単な説明が終わると、ここでもさっそくワークショップが始まりました。今度はチームごとに既存のゲームタイトルを指定し、その作品をEMSフレームワークの形式で、端的に分かりやすく、魅力的に伝える、というものです。

2チームごとに同じタイトルを分析する形で、有名な人気作からややマニアックなものまで、5つのタイトルが用意されました。個人のアイデア出し、ディスカッションも含め、各チームに与えられた時間は15分です。

最終的に完成した文章は、同じタイトルを扱った2チームごと比較されました。
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ゲームを知っている者がいるかどうかで具体性が変わったり、エンジニア系が多いチームでは、プログラム技術面がクローズアップされていたりと、結果はとても興味深い内容になっていました。

同じゲームを分析しても、手段と目的のどこを切り出すかによって、完成したものは大きく変わるのです。

最後に中村さんは、こういった言葉で講演を締めくくりました。

今回の講演は、マーケティングの世界などではメジャーな、フレームワークという発想法、分析法を、皆さんに体験していただくというのが目的でした。実際にやってみたことで気がつくこと、学べることがたくさんあることが、お分かりいただけたかと思います。誰にでも簡単にできるので、ぜひ皆さん学校や職場でどんどんやってみてください。

次回、第4回の座・芸夢のエントリーも開始しています。
みなさんのエントリーをお待ちしております。
◆開催概要はこちら http://creator.dena.jp/archives/45080679.html

次回の座・芸夢もおたのしみに!
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