こんにちは!新卒デザイナーの笠井です。
サービスを作った経験のある方なら誰しも「UXの効果を数字で証明したい」って思ったことありませんか?私もその一人です。海外の記事で、UXを定量的に評価する方法が載っていたので、今回はこの記事から、UXの効果を数字で証明する方法をご紹介いたします。

海外デザインブログDesignModoで公開された「 5 UX KPIs You Need To Track 」のライターArmen GhazarianとDesignModoから許可をもらい日本語訳をいたしました。

UXにおいて重要な5つのKPI

「数字に出して計測すること」で、全てを理解することは難しいですが、ある状況を簡単に理解して評価することは可能です。

それでは、「UX」を数字に出して計測することは可能でしょうか?

答えはYES。現在、「UXの改善」というと、ユーザーインタラクションの向上やユーザーの満足度を上げる、といった定性的な目標を設定しがちです。しかし、本当にそうした目的を達成できているかを定量的に計測しながら進める必要があります。UX KPIはこれらを定量的にする測定方法なのです。

KPIとは何か?

KPI(重要業績評価指標)の意味は、「目標の達成度合いを計る定量的な指標のこと」です。これらの指標は、ある組織や事業の目標に対して、どの程度近づいているのかを測る重要な役割があります。

こうした理由から、UXに関わる目標設定をしたら、その目標と現在地点を測る指標のことを、「UX KPI」と書くことにしましょう。

主要なUX KPIについて

UXに関わる指標の測定方法は、販売やマーケティング、財務等で使われてきた指標とは少し違います。なぜなら、UXに関わる指標は、人間の振る舞いや心理を反映しているからです。こうした類の情報は、本来数字に変えるのが非常に難しいものです。

しかし一方で、UX KPIは、物事の本質を捉え、大きなユーザビリティの問題を数字で測ることができます。また、時系列での変化を簡単に追えます。

基本的に、UXデザインチームは、「定量的な数値」と「定性的な数値」という大きく2つのUX KPIを使うでしょう。

◼︎定量的なUX KPI
1. Task Success rate(ユーザーのタスク成功率(CVR))
2. Time on task(ユーザーがある目的を達成した際にかかった時間)
3. Use of search vs. navigation(検索 or ナビゲーションの利用率)
4. User error rate(離脱率)
5. System Usability Scale(SUS : システムユーザビリティスケール)

◼︎定性的なUX KPI
1. ユーザーの期待値
2. 総合的な満足度

それでは、これらの測定方法を見てみましょう。

1. Task Success Rate(ユーザーのタスク成功率)

Task Success Rateとは、全体のユーザーのうち、どの程度の割合のユーザーがタスクを成功できたか?という「ユーザーの”タスク”成功率」のことです。

これは、今最もよく使われている指標であり、どの程度効率よくユーザーがタスクを達成できたかを知る指標です。ユーザー登録や商品購入等のように、明確にユーザーのゴール(タスク)が定義されていれば、Task Success Rateを計測することが可能です。そのため、データをやみくもに集める前に、ユーザーのタスク、ゴールが何かを正しく、かつ明確に定義することが重要です。
task_success_rate
Task Success Rate = タスクを達成できたユーザー / トライした全てのユーザー

この指標は何故ユーザーがタスクを達成できなかったかまでは分からないとしても、非常に便利な数値となります。

また、初回ユーザーのTask Success Rateを計測して、そのユーザーはサービスを使い続けるうちに、どのようにrateが変化するかを追っていくことも非常に重要です。これは、あなたのサービスの「学習しやすさ」を示す数値であり、「UX」を測定することが出来る非常に重要な数値となります。Task Success Rateは高いほどいいです。

2. Time on Task(タスクを達成するまでの所要時間)

Time on Taskは、タスクを達成するまでにユーザーが費やした時間のことであり、通常は分や秒といった単位で表示されます。このTime on Taskは、様々な方法で出されますが、通常は各タスクにユーザーが費やした時間の平均値をとればよいです。

Time on Taskは、問題を特定するのに非常に役にたつ指標です。そして、異なるイテレーションにおける指標と比較することによって、更に深い洞察をもたらします。

一般的に、Time on Trackは短いほど、より良いユーザー体験となります。

3. Use of Search vs. Navigation(検索 VS ナビゲーション)

これは、情報のアーキテクチャーやナビゲーションの効果を計る上で、非常に効果的な計測方法です。もしユーザーが何かをサイト内でナビゲーションを通じて探していき、見つからないとしたら、検索が最終手段となります。

これは、下記の式で数値を出すことが出来ます。
navigation
Navigation vs. Serach = ナビゲーション or 検索を通じたタスク達成数 / トータルのタスク達成数

4. User Error Rate(ユーザーの失敗率)

一般的に、エラーはユーザー体験を評価する上で非常に有効な指標です。

エラーとは、何回エラーがあったのか、どこで起きたのか?どのようなデザインのプロダクトで、どのようなタイプのエラーが起きるのか?など、本当に自分のプロダクトが使いやすいものなのかを教えてくれます。 エラーと「ユーザビリティ」とは、ほぼ同じ意味で使われることもあるほど、関連の深いものなのです。 

エラーレートは、いくつかの方法で計測することが可能です。


1. あるタスクを達成するために、ユーザーが失敗しうるエラーの機会が一部 or 複数あるが、一つだけを計測したい場合(ex. 入力フォームの中のパスワードフィールドだけ)、下記の計算式の通り数値を出せばよいです。
error-occurrence

Error Occurrence Rate = 全ユーザーのトータルのエラー数 / 全ユーザーのエラーが起こりうる機会の数


2. 一つのタスクを達成するのに対して、いくつかのエラーが起こりうる場合 or 全ユーザーのエラー平均値を取りたい場合、下記の計算式となります。
task-error-rate1

Error Rate = エラー数 / タスクにトライした合計

例)5人のユーザーが、オンライン上でクレジットカードの決済をしました。このタスクには、7つのエラー発生機会があります。それぞれのユーザーは、2,4,1,2,3回それぞれエラーを起こしました。

この場合、エラー発生率の平均は以下になります。
(2+4+1+2+3)/7*5 = 0.34 * 100 = 34%  

5. System Usability Scale (SUS : システムユーザビリティスケール)

システムユーザビリティスケール System Usability Scale(SUS : システムユーザビリティスケール)とは、おそらく今最も広く使われている、ユーザビリティを測定する方法の一つです。

このKPIは、ユーザーへのアンケートをベースとしており、プロダクトの数値を計測するだけでは出すことができません。ユーザーの協力が必要となります。このSUSは、ユーザーがプロダクトを使った時に得る満足度などの定性的なデータを測定するのに効果的です。

SUSに関するより詳細な情報は、こちらを参照してください。

Qualitative KPIs(定性的なKPI)

定性的な情報は、一般的に集めるのが非常に難しいです。だから非常に価値があり、より多くの洞察を得ることが出来ます。定性的なKPIを集めるには、実際のユーザーに対するユーザービリティテストやアンケートなど、直接的なコミュニケーションが必要です。

これらは、非常に時間がかかり、サービスの数値を取るよりも非常に労力がかかるものです。しかし、組織にとって価値のある情報が得られます。

もしユーザーインタビューを行うのであれば、特にユーザーがプロダクトを使う前に持っていた「期待値」と、実際に使ってみて「その期待値と比べてどう思ったか」に集中して聞くと良いです。

SUSなどの手法もまた、これらの定性的な情報を得るために有効となります。

Final Thoughts(最後に)

UX KPIは、プロダクトに携わる全ての人たちにとって、UXやデータ解析に長けていなかったとしても、UXに関する改善の進捗を簡単に理解出来る良い方法です。ここで紹介したUXに関する指標によって、改善した結果を計測し、ユーザビリティの変化のROIを計算することができます。

それぞれのプロダクトによって、様々な指標を計測したり、新しく定義したUX KPIを使うことになるかもしれません。ただ、UX KPIは計測が出来て使いやすい限り、役に立ち続けると思います。


参照元リンク :5 UX KPIs You Need To Track ( Designmodo ) 

新卒デザイナーがこの記事を翻訳した感想

UX KPIという言葉をこの記事を読んで初めて知りました。CVRや離脱率の測定は、一般的なサービスのKPIとして設定されていますが、その他の3つの指標はUX KPIならではの視点で面白いと思いました。

特に、Use of search vs. navigation(検索 or ナビゲーションの利用率)は初めて聞いたKPIなので、こんな計測方法があるのかと目からウロコが落ちました。良い情報アーキテクチャになっているかどうか、判断する際に使えそうですね。

実際にサービスを運営する際、この5つのUX KPIを使って、定量的にUXを評価してみたいと思います!