こんにちは、DeNAデザイン戦略室の伊藤です。
今回は第2回目を迎えた「Game Graphics Groove:クリエイティブが、ゲームを変える」のレポートをお届けします!
第2回も各社を代表するゲームタイトルの舞台裏を知ることができる熱い会になりました!最後のセッションでは「次はどんなゲームが流行るか?」といった質問にゲストが答えていく場面も。そちらもぜひチェックしてみてください!



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グラフィッカーがこの先生きのこるには ~『スクールガールストライカーズ』のリソース設計思想~


最初のゲストは株式会社スクウェア・エニックスでアートディレクターをしている岡村 礁さん。
グラフィッカーが生き残るためのアレコレをスクスト(スクールガールストライカーズ)の事例を交えて語りました。

▼発表する岡村さん
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▼スクールガールストライカーズって?
スクエニさん初の内製ソーシャルゲームです!
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まずスクストで岡村さんが目指したのは「軽快なポチポチゲー」。簡単な操作で楽しめるゲームを実現したかったとのこと。スクストの特徴である「個性あるキャラクター」づくりにも気をつかったそうです。
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また、最近はスマホで3Dを使ったゲームも増えてきているので、2Dイラストを採用するか3Dにするか迷うアートディレクターやプロデューサーの方も多いはず。
そういった方の参考になる内容が岡村さんのお話の中にありました。
2Dのイラストではゲームとして差別化しづらくなっているのでは、ということで3Dを採用したそうですが、3Dの制作はお金がかかるのでは?という懸念に対して岡村さんは「3Dも何かに特化させれば2Dと同程度の予算でもやれる」といいます。

▼3Dでも2Dイラストと同じくらいの予算で作れる!
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印象的だったのは、3Dの場合は「静止画では勝負しない」ということ。
2Dと比べると静止画では負けるということを受け入れて勝負すべきところを選んだところが秀逸でした。

▼3Dならではの「そこにいる感」をしっかり出していった
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3Dの制作も徹底的に効率化したという岡村さん。女の子のポリゴンも絞ったり、男女のキャラはボーンを2つ用意する必要があることから見送るなど、尖らせる部分を徹底してやっていました。
まさに選択と集中をきっちりやっているという印象の発表でした。

『ファントム オブ キル』における3D制作事例 ~クオリティコントロールのポイントと実制作の裏側~


続いてのゲストは株式会社gumi Manager 辻畑 孝信さん。
外の会社さんに制作を依頼する時、クオリティを上げるためにどんな工夫を行っているのか?という内容です。

▼発表する辻畑さん
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まずは基本的なことだけど大事なことから。

▼メールだけではいいものはつくれない!
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Skypeなどですぐに連絡できるって大事ですね。
では実際のコミュニケーションはどういった形でやっているのでしょうか?

▼制作会社さんへのフィードバック1
海外の会社に翻訳して渡す場合もあるので、番号とテキストをわけているそうです。
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▼制作会社さんへのフィードバック2
Photoshopの「ゆがみツール」を使ってイメージを伝える。これは目から鱗でした!
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▼制作会社さんへのフィードバック3
イメージを正確に伝えるため、パーツにわけてフィードバック。
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▼制作会社さんへのフィードバック4
フィールドも社内で凹凸などをつけるところまでやってから渡す。
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そしてこちらが出来上がったもの。
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イメージを伝えるために本当に丁寧に、そしてしっかり時間を使っているという印象でした。丸投げしたり、よろしくやってくれという形ではいいものはできないということですね。

▼まとめ
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クオリティを上げるためには、かなり自社でフィードバックを作りこんでコミュニケーションやアウトプットのイメージに齟齬がないようにしていかないとな、と気づかされる内容でした。
掲載した発表スライドの内容もとても気づき多いものでしたのでぜひご一読いただければと思います!


三国志ロワイヤルベースの低コストゲーム開発 ~『キングダム -英雄の系譜-』のアニメーション 開発コンセプト~


最後は株式会社ディー・エヌ・エー デザイン戦略室 増成 宏介さんの発表です。

▼発表する増成さん
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まずは増成さんが担当したゲームの紹介。今現在も雑誌で人気連載中の「キングダム」です。

▼キングダム -英雄の系譜-の紹介
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キングダムは「システム共有化タイトル」。自社の他ゲームのシステムを使い、アレンジしたタイトルです。

そのプロセスを熱く語ったのが今回の発表。システムの共有化は一つの手段だと思いますが、それを採用するメリットデメリットはどんなところなのでしょうか?

▼メリットとデメリット
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低予算で開発できる、というのと実績のあるシステムを使うことで大外しのリスクが回避されるのは大事な点ですね!
ただ、個別に対応することは必ず出てくる、という話で。キングダムの場合はこんな感じでした。

▼キングダムが個別に対応したところ
世界観を再現することと、それに伴うアニメーション演出は個別対応しています。
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というわけで、特にIP系のタイトルはシステムは共通といっても、いろいろと対応することがありますね。それでも通常の新規開発の1/3くらいの時間で開発できてしまうとのことで、今後も外せない手段であることに間違いなさそうです。


トークセッション


会の最後にはモデレーターのDeNA小林 潤さんと、同じくDeNAん相園さん、スクエニの水町さん、gumiの田所さんが加わりセッションを行いました。

▼登壇したゲストの方々
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左からスクエニ岡村さん、水町さん、gumi辻畑さん、田所さん、DeNA増成さん、相園さんです。
(しまった、小林さんを撮るのを忘れてました...!小林さん、ごめんなさい)

セッションでは小林さんや会場の方が様々な質問をゲストにぶつける形となりました。
さっそく最初の質問を見てみましょう。

まず最初の「プロデューサーの仕事ってなんだと思いますか?」という質問に対してはスクエニ水町さん、DeNA相園さんが回答。

スクエニ水町さん:お金の権利を持った雑用係みたいなものですね。というのはありつつ、経営陣と現場の間に立ってどう物事を前に進めるかに取り組む、そういうことをやる人だと思います。
DeNA相園さん:プロデューサーってよくヒト・モノ・カネ・ビジョンをつくる、というようなことが語られますが、それに加えてやはり雑用も本当に多いですね 笑


続いて「アートディレクターって絵が描ける必要ってありますか?」という問いに対しては、スクエニ岡村さん、DeNA増成さんがそれぞれ答えました。

スクエニ岡村さん:描けた方が楽かなと思います。いろいろな面で。というのも、自分が実現したいことを絵を描いたり3Dをつくって伝えるっていうのを選べることはいいことだと思うんですよね。
DeNA増成さん:私も描けた方がいいと思いますね。ただ、どういう目的で・どういうアートが必要なのかという設計をする人と、描く人は別でもいいとは思いますね。なので必ずしも描けなくていいと思います。

お二人の回答を聞くとアートディレクターは絵を描けることがマストではない印象を受けますね。みなさんはどう思われるでしょうか。

そして最後に、小林さんから「これから何が流行ると思いますか?(どんなゲームが流行りますか?)」という質問が飛び出しました。

スクエニ水町さん:RPG系はいろいろな会社からひと通り出たと思うので、一旦落ち着くかと思ってます。今はかなり複雑な操作のゲームが多いので、次はまた単純なゲームが来てもおかしくないなと思ってます。
gumi田所さん:最初の5分でおもしろさがわかる、わかりやすいゲームが流行ると思う。入りはわかりやすくて、やりこみ要素があるようなものがいいと思う。
DeNA相園さん:ゲームがリッチ化して、開発に2年くらいかかるゲームも出てきている。でも、普遍的なニーズはあると思っていて、例えばみんなでコミュニケーションを取りながら遊ぶものですね。トランプだったり、モンストもそうですが。デバイスが変わっても変わらないニーズをおさえたゲームがやはり流行ると思う。



というわけで、Game Graphics Groove #2のレポートいかがでしたでしょうか。
岡村さんの3Dでのゲーム制作についてのナレッジの共有や、辻畑さんの委託先へのフィードバック方法、そして増成さんのシステム共有化タイトルのメリデリ整理、どれも内容が濃かったと思います。

(おそらく)第3回も開催されると思いますので、また次回はみなさんもぜひ会場でお会いしましょう!

以上、レポートでした。