こんにちは、坪田です。

意志決定の早いデザインワークショップ『デザインスプリント』が徐々に流行り出しているので、Microsoft Venturesの馬田さん講師で、簡易版ワークショップを体験してみました。
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※画像は和波さんのグラフィックレコード

結論として、開発プロセス厨な僕がいくつか試したプロセスで、現場フィット感が1番高いワークだと思いました。モバイルコンテンツのデザイン作業は、プロセス化の最適化が最も大事なのでプロセスには拘り続けます。

その理由を5つにまとめてみました。

デザインと言うラベルが付いてると、デザイナーのツールに聞こえますが、意志決定者、エンジニアを巻き込んでチームで開催するのがオススメです。サービスデザインはチームで決めていくのが大事です。

デザインスプリントって何だよという方は、馬田さんのスライドや、下記ブログを参照するのが良いと思います。



・デザインスプリント入門1 – Google Venturesのデザインスプリントを自分で行う方法(翻訳)
http://labs.theguild.jp/?p=223

1. アイディアの具現化からユーザーテストまでが一連の流れになっていてゴールが現実的

ワークショップを開催して、その瞬間は盛り上がってビジョンや方針を決めたのは良いけど、形にする過程で、ロジックが破綻しているため現場がサービスに落とし込めない。なんて経験はありませんか。

僕はあります。

デザインスプリントは、アイディアの具現化からユーザーテストの評価までがミッションなので、論理破綻しているとゴールにたどり着きません。

サービスに関する議論は、すべて「ゴール」にたどり着くためのものでなくてはならないのですが、空中戦の議論になるMTGでは、人を説得するためのロジカルな意見が採用される場合もあります。

仮に、その意志決定に乗っ取り破綻したまま開発が進行すると、最終的にどうしてこうなった...と言う製品ができあがる場合があります。

ゴールにたどり着くための責任はチーム全員で持ちましょう。特に開発初期においては、可視化して進める手段はとても有効だと思います。

2. 短い時間で可能性を出すよう設計されているので、全てのプロセスが高速に進む

課題を解決するためのアイディア出し、議論から意志決定までの時間が制限されているので、全てのプロセスが高速に進みます。

適切に評価を実施すれば、作って壊してのリテイク回数が多ければ多いほど高品質な製品になります。あえて言語化しませんが、そういうモノなのだと思います。

そして、すべての過程において、目に見えるモノがある状態で議論・評価するため、建設的な議論が成り立っているのも大事なポイントです。

うーん。アイディアは良いと思うんだけどなんか違うんだよねぇ。

とはなりません。品評する時間があれば、一つでも多くのアイディアを可視化してクイックに評価して振り返りまた作るプロセスを回しましょう。

3. 複数人でのブレストより、一人で考えた案を持ち寄る方が質の高いアイディアが多い気がする

気がするだけかも知れませんが、僕の経験上、複数人でブレストしてアイディアを出し合うより、案を持ち寄ってそれを叩きに議論した方が、実際のプロダクトに採用できるケースが多いです。

きっと、他人に頼らず、脳がちぎれるほど考える環境に追い込まれているからだと思います。
とは言え、一人だけで考えるとアイディアが偏り、視野が狭くなるというデメリットがあります。

デザインスプリントにおいては、そのデメリットを解消するために、課題を共通認識化した上で、

「解決方法を、全員がちぎれる程考えようぜ。その中で一番良いアイディアを投票で決めるぞ。
ただし、ストーリーボードに落とした現実的なヤツで頼むな。」


と言う感じで、スケッチを描いてはやり直しながら進めるので、アイディアレベルに留まらず、現実的な案まで落とし込まれます。

以前、アイディアを書いた付箋に人気投票するワークショップを実施した事がありますが、その時は盛り上がるモノの、最終的にいずれも採用されませんでした。つまり非現実的なアイディア・ロジカルシンキングは現場において、非生産性的である可能性が高いという事だと思います。

現実的に落とし込むアイディアが必然的に求められるというのが重要なのだと思います。

4. Silent Critiqueという手法で議決するので、声の大きい人に引っ張られず、サービスの課題に対して適切なアウトプットが選択される

Silent Critiqueは喋らずに良いと思ったアイディアにシールを貼って、意志決定する手法です。
アウトプットした紙にシールを貼るという事が非常に重要で、アイディアに対するヒートマップができあがり、どのアイディアが人気か一目でわかります。

企画もエンジニアも、デザイナーもスケッチして、アイディアストーリー化して行くため、出したアイディアが次のステップに進むために、現実的である必要があります。喋らずとも他人に理解される形でアウトプットし、意志決定も可視化される、一貫してアウトプットベースで評価されていく仕組みが大事だと思います。

口頭で議論・ブレストしていると、本案件とは関係ない議論にすり替わっていたり、類似サービスの成功事例を切り出して安易にサービスに反映させようとする流れになりがちですが、考えるべきは自分達のサービスにとってそれが重要か、です。

試す前は、喋らずに決めるという手法に若干戸惑いましたが、アウトプットをみて冷静に考える時間を持つ事・他人に引っ張られず投票する事が、ユーザー目線での評価につながるのだと思います。

5. 「意志決定者(CEO)を中心にベストなデザインを決定する」手法もルール化されているので、意志決定に納得感を持たせられる

開発チームを正常作用させるためには、納得感のある意志決定が非常に大事です。

仮に、その意志決定が結果的に正しい場合でもチームの見えない所でされた意思決定は、文脈が理解されないことが多く、チームのパフォーマンスが下がります。逆に意志決定の理由、背景の疎通がとれるようになるとチームが自走します。開発に関わる人数が増えれば増えるほど大事になってくると思います。

意志決定者が気をつけるべき大事なポイントとして、常に正しい意志決定をする事以上に、納得感の醸成が大事だと僕は思います。

そのため意志決定プロセスの可視化は、チームを正常稼働させるために非常に重要な手段ですが、デザインスプリントでは、それが手法として組み込まれています。

プロトタイプへ進めるデザインの意志決定はシールで投票しますが、デザインスプリントの良い所は、プレイヤーはシールを一つ or 二つ持ち、CEOはシールを3つ持って決めていきます。

意志決定者も時に間違った決定を下す場合があるため、権限は多く持ちつつも間違ってる可能性がある場合でも自浄作用を働かせるられるようプレイヤーにも権限を持たせる・意志決定のプロセスが可視化されているので、スクラップビルド時に前後背景を理解した上で、次にトライできると言う2つの仕組みが納得感を醸成しています。

デザイン意志決定はサービスにとって非常に大事なので、可能な限り最高責任者も巻き込んでワークショップを行うのがオススメです。

実際に体験しないとわかりにくいと思いますが、かなり体力を使うワークになります。

終わると疲労感もありますが、MTGが多く進捗が思わしくない場合、試してみる価値は充分にありますので、興味のある人は馬田さんに問い合わせてみると良いと思います。

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