こんにちは、UXデザイン部の坪田です。

去年の夏頃から、組織名と同時に職種をUX Designerに変えました。
今は、UX に真面目に取り組める組織をマネジメントしつつ、プレイヤーとして各サービスのUXデザインを担当しています。

僕の名刺を振り返ってみると、
・2011年6月 : モバイルメディアグループ
・2012年1月 : クリエイティブグループ
・2012年8月 : UXデザイングループ
・2012年10月:UXデザイン部
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というような感じで、2010年6月に入社して、クリエイティブ専門の組織が1月に作られ、名称変更を経て、今ではUI/UXを専門的に考えるメンバーが集まる部門になりました。

2011年8月に組織名を『クリエイティブ 』=> 『UXデザイン』に変更しましたが、単純にクリエイティブを作るだけでは無く、プロダクトデザイン全体を責任をもってリードするというメッセージとその実態を組織全体に伝えるための意図も含めています。

前置きが長くなりましたが、今回はプロジェクトを遂行する時にDeNAのUXデザイナーに求められる役割を7つに整理してみました。

DeNAではAgileのScrumを開発手法に用いていますが、UXデザイナーが現場で求められるミッションを一言で説明すると「サービスの使い勝手、楽しさ、触り心地の良さ、感動、愛着を優れたUIとしてサービス設計に落とし込み、成果に変換できる能力を持つ人」となります。

具体的には、下記開発プロセスにおいてリサーチ~仕様策定まで全体をリードするという位置付けです。
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1. 製品のビジョンを可視化できる

当然ですが、プロダクト開発を行う上で、一番重要なのは製品のビジョンを明確にする事。Agile開発なのでスクラップ&ビルドのチューニングは前向きに取り組みますが、コアとなるプロダクトビジョンはあらかじめ明確にする必要があります。

具体的には、サービスの利点が一言で伝わるキークレームとそれを実現するためのコアバリューです。
例えば、commだと「もっとつながる高音質な無料通話アプリ」がキークレームにあたり、コアバリューは「通話自体の品質」とそれを実現するUIとユーザー体験にあたります。

開発中にここがブレると一貫性のない製品ができあがってしまうので、ビジョンを可視化して軸がぶれないようにAgile開発をリードする事が大事です。

2. ビジネス要件をユーザー体験に変換して実現する事ができる

ビジネスを成立させるのは、利用するユーザーがいてこそなので、ユーザー中心設計(HCD)が求められる事は間違いないのですが、営利企業でサービスを提供し続ける限りビジネス観点はとてもとても重要です。

簡単に言うと、ユーザーが欲しい物をすべて実現するだけではなく、その上でビジネス要件を達成するようにリードするサービスデザインでなければなりません。

どんなに優れたビジネスモデルを考えたところで、良い体験を実現できないと成功しない確率が高くなるので、「作ったものを売る」という思考から、ビジネス要件を適切なユーザー体験に変換して、「売れるものを作る」という思考にシフトする事が重要です。

私の場合は、ステークホルダー(ビジネス責任者)、コンシューマー両方をユーザーとして考えて、どちらもユーザー中心として考えたプロダクトを設計するように心がけています。

3. リサーチと優先度決め

作る物が決まったらまずはリサーチ。これ重要です。むしろこれが命と言っても良い。

リサーチ対象は競合他社のサービス分析と、想定ユーザーの定量調査、ユーザーインタビューを実施します。
定量調査も重要ですが、自分の感覚がターゲットユーザーの感覚とずれていないか答え合わせを行う程度で、個人的には、定性調査をより重要視しています。

ユーザーの意見はその人自身のバイアスがかかる事もあるため、ストレートに取り扱いませんが、オープンな質問を徹底する事でユーザーニーズが明確に浮かび上がってきます。また、直接インタビューする事で感情の強弱がはっきりするため、ニーズ量×感情の強弱からストーリーを優先度に落とし込んで行きます。

定量調査の結果 × ユーザーニーズ (+差別化要素) をストーリーの優先度に反映させます。

4. ストーリーから機能を考える事ができる

リサーチ結果で得られたユーザーニーズをどのように解決するのかをストーリーで考えます。
デザインとはユーザーの行動を形にしていく作業なので、機能やユーザーインターフェースから考えるのではなくニーズの解決方法をストーリに仕立てて、最良のユーザー体験はどういったものかということを先に検討することが重要です。

その結果、ユーザーインタラクションがどうあるべきかを考え、具体的な機能やインターフェースを考えていきます。
ケースにもよりますが、僕の場合ワイヤーフレームはホワイトボードに書いたスケッチで代用し、エンジニアとスクラップ&ビルドを繰り返した結果がストーリーのアウトプットとなり仕様書にもなります。

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例えば、こんな感じでプロダクトメンバーとコンセンサスがとれたら、エンジニアにボールを渡して、次のストーリーを考えていく事で生産性を上げているのも、DeNAの特徴的な進め方の一つです。

5. プロトタイピングを回して繰り返し修正する事ができる

こんな事を言うと無責任に聞こえるかもしれませんが、一生懸命、調べても考えても、実際の所、試してみないとわからない事は大いにあります。

開発したプロダクトがどのように使われるか、ユーザーの行動を知るために早い段階でプロトタイプを作って、身近なペルソナで実験しましょう。プロダクト開発中はエンジニアと隣同士の座席で並びクイックに抽象化と具体化を高速に繰り返すことが重要です。

一度で正解に辿りつければそれにこしたことはありませんが、早い失敗とそこから得られる学びを活かすほうが結果、 近道だと思います。

6. 成果に結びつかないアカデミックなロジックは排除する

少し、本題からズレますが、UXやAgileなど、開発プロセスについて多くの方法が存在しています。
手段が目的になると本末転倒すぎるので、なぜその手段が必要なのかを十分に考えて実行に移す事が重要ですし取捨選択能力が必要になります。

新しい仕組みやフレームワークの導入はメンバーの学習コストがかかります。

何か新しい仕組みを導入する場合、メンバーへの説明責任は当然として、成果をあげるためになぜ必要なのかまた成果をあげるために個別アジャストした方法を実行する事を心がけています。

7. 最後の砦になる

UXデザイナーはユーザーとの接点が一番近い立場にあると考えています。
ユーザー側に立った最後の砦として、良い体験を提供するためには、妥協も温情も許さない、品質に徹底的にこだわる必要があります。

開発スケジュールも社内都合も政治も基本的に、ユーザーに関係ありません。
良い体験を経験してもらうために、サービス品質には徹底的にこだわり抜く気持ちを強く持ち最後の砦になりましょう。

現在、UXデザイン部ではUX/UIデザイナーを募集しています。
新規事業開発に関わりたい方はぜひ、こちらから応募お待ちしております。

次回は、細かいプロダクト開発に絞って具体的に掘り下げた内容を書きたいと思います。