こんにちは。ソーシャルプラットフォーム事業本部の飯岡です。

10月18日、19日と大阪で開催された認定スクラムマスター研修を受講してきました。
この研修では2日間にわたってスクラムマスターに必要な知識や考え方を学ぶことができるほか、「認定スクラムマスター」という資格を得るためにも必須の研修となっています。

研修会場からは大阪城がよく見えました。見ている余裕があったのは研修が始まる前まででしたが…。
研修会場からは大阪城がよく見えました。見ている余裕があったのは研修が始まる前まででしたが…。

スクラムマスターって?
いきなり研修の話をしてしまいましたが「スクラムマスター」というのは、「スクラム」と呼ばれるチーム開発手法における役割の1つになります。認定資格がないとスクラムマスターをやってはいけないということはないのですが、今回自分は、より正しいスクラムの知識をチームにフィードバックしていくために研修に参加することにしました。

スクラムって?
5~9人でチームを作り、スプリントと呼ばれる一定期間(2週間のことが多いようです)を決め、スプリントを何回も繰り返しながら製品・サービス(以後、プロダクトと呼びます)を作っていく開発手法です。

・スプリント初日にスプリントでやることを計画し(スプリントプランニング)
・毎日進捗を確認し(デイリースクラム)
・最終日に出来上がったプロダクトをチェックし(スプリントレビュー)
・同時にスプリントの働き方をふりかえる(スプリントレトロスペクティブ)
というルールに従うことで、継続的に良いプロダクトをリリースしていけるという特徴があります。

また、スクラムには3つの役割が決められており、
・プロダクトの内容や方向性を決める「プロダクトオーナー」が1名
・プロダクトを作っていく「チームメンバー」が数名
・チームがスクラムのルールを守っていけるようにサポートする「スクラムマスター」が1名
となっています。

チームは職種横断で結成され、プランナー、デザイナー、エンジニア、ディレクターなど、さまざまなメンバーで構成されます。1チームだけでプロダクトの企画からリリースまで行えるため、非常に速いスピードで開発を進められます。

(今回は研修のレポートということで、スクラムの詳細は割愛しますが、今後このブログでも解説していきたいと思います)



研修の内容
さて、今回の研修の認定対象となるスクラムマスターですが、文字通り「スクラムをマスターした人」になるべく、スクラムを熟知するためのプログラムが組まれています。2日間に渡る研修のトピックは次の通りです。

【1日目】
・イントロダクション
・この研修のゴール設定
・アジャイルとは何か
・開発と顧客、それぞれの責任は何か
・開発と顧客、それぞれのリスクは何か
・スクラムオーバービューを描く
・スクラムが機能する理由
・スクラムマスターとは
・プロダクトオーナーとは
・チームとは
・スクラムをスケールさせるには

【2日目】
・スクラムを導入していくには
・スクラムに懐疑的な上司をどう説得するか(※後述)
・デイリースクラムとは
・スプリントプランニングとは
・プロダクトバックログリファインメントとは
・スプリントレビューとは
・Doneの定義とは
・ふりかえり(スプリントレトロスペクティブ)とは
・スクラムチームの個人評価
・マルチタスクのデメリット
・スクラムを掛け持ちするには
・クロスファンクショナルなチームとは
・クライアントを巻き込むには
・新入社員に簡単にスクラムを説明するには
・見積もりは100%正確になるか
・Sprint1の前にやっておくことは
・ストーリーが依存関係にあるときのプロダクトバックログの書き方
・スクラムでやってはいけないこと
・この研修をふりかえって

研修では他の参加者とチームを作り、各トピックに対して15分~1時間程度かけながら、「議論→集約→資料作成→発表→他チームと議論」を繰り返していきます。

例えば「スクラムマスターとは」については、スクラムマスターの仕事や役割はもちろんのこと、「なぜその役割が必要なのか」「その役割がもたらすメリットを最大化にするには」「そのために絶対守らないといけないことは何か」など、広く・深く議論を重ねていきます。毎時間毎時間、トピックに対して考え抜くため、正直結構ヘビーです。しかしながら、スクラムに規定されているルールをひとつひとつ深掘りして理解できたのはとても有意義でした。

研修ではPowerPointなどのデジタルツールは一切使わず、紙とペンだけで資料をまとめていきます。アナログツールは全員で作業するのに非常に向いているほか、完了したものを壁に貼っておく事で、いつでも研修内容を振り返ったり、これだけのものを学んできたんだという満足感を得たりすることができます。

こんな感じでどんどん壁に貼っていきます
こんな感じでどんどん壁に貼っていきます

研修で学んだこと
「スクラムマスターの研修に行ったのだから、一番学んだのはスクラムのことだろう」というと実はそうではありません。
(もちろん、スクラムの知識は大量に身につきました!)

スクラムは多くの企業で取り入れられ、成功事例を出している開発手法です。そのため、ときとして「スクラムを入れると成功する。生産性が上がる。だからスクラムを始めよう」というように、スクラムを始めることが目的になってしまうことがあります。スクラムはあくまでツール・道具でしかないので、手段を目的にしてしまうのは本末転倒です。

研修で、繰り返し繰り返し問われたのは「なぜスクラムをやりたいのか」でした。ではスクラムを使って達成したい目的は一体何なのでしょうか。

他の参加者と何度も議論し、出た答えは「お客様にとって最も価値ある機能を、少しでも速く、継続的にリリースしていく」ことでした。答えが出てしまえば当たり前のことですが、この目的を達成するためには解決しなければいけない課題がたくさんあります。そして、言うほど簡単ではないことは想像できると思います。

目指したい開発チーム像が見えてくると、目的を達成するためにスクラムは非常によく設計された開発手法だということがわかってきます。反対に目指したい開発チーム像があいまいなままスクラムを始めてしまうと、その力を十分に発揮できず、プロジェクトを失敗させてしまうかもしれません。

大事なのは目的を明確にすること、そしてそのためのツールであることを理解すること。これが研修で一番学んだことでした(ということで、2日目のトピックにあげている「スクラムに懐疑的な上司をどう説得するか」という問いは、問いの時点でおかしいのです。スクラムを入れることが目的になっています)。

ちなみにDeNAでは
自分が所属するソーシャルプラットフォーム事業本部でも多くのプロダクトが開発されていますが、そのほとんどがスクラムを通じて生み出されています。もちろん、クリエイターも各スクラムチームに所属しながら自身のパフォーマンスをフルに発揮しつつ、プロダクト開発に取り組んでいます。

その詳しい話はまた別の機会に!

(飯岡)